渋温泉・金具屋。
週末に渋温泉へ行ってきました。
1つ前の記事も、渋温泉。そう、今年2度目の渋温泉(笑)。
今回の旅の目的は、渋温泉オンリー。そして、金具屋さんに泊まってきたのです!
金具屋さんといえば、この外観に惹かれていたのですが、建物の中は、外観からは想像できないほど、びっくり箱のような魅力的で楽しい宿でした。
単に、250年の歴史を持つお宿、というだけでありませんでした。
旅館やホテルといえば、お部屋の作り、廊下の作りは規則正しく、同じように並んでいますが、こちらのお宿は、同じ景色は並んでいません。むしろ、1つの建物内に、様々な種類の建物が寄せ集まったような、、、フロアをちょっと変えるとまったく別の造りになっていたりとか。だから、宿の中は、異次元空間。1つの街みたいに感じます。
外ではないですよ。宿の中です。
どこへ続いてるの???と不思議な空間。
このお宿は、宮大工さんが建築されたそうなのですが、「部屋は一つの家」というコンセプト(?)で作ってあるので、宿の中に軒先がある、という面白い造りになってます。それだけではなく、宮大工さんが技巧をこらしていて、よく見るとディテールが凝ってる。しかも、その凝り方(デザイン)は一様ではなく、それぞれのフロア、それぞれのお部屋によって、デザインを変えてあるのです(!)。
あるフロアの床には、水車の歯車(?)が埋め込まれています。
写真には撮りそびれたけれど、あわびの貝殻が並べてある軒先もあったりとか(笑)。
なんというか、遊び心満載。
天井部分や階段の裏側なども気にして見てみると、そういった部分までも、手が施されています。
階段の踊り場。ここは特に私もココロ惹かれた空間。
富士山に、灯りはそれを照らす月を表しているとのこと。壁がベンガラ色(赤褐色っぽい)で、それがまたシックです。
ここまで、いろいろ凝っていて、趣向を変えての遊び心満載だと、ゴテゴテ派手派手、かえって野暮ったくなりそうなのですが、なぜか、全体としてまとまっていて、シックに、落ち着いているのです。どう見ても「大人の宿」なのです。それは、作り手が宮大工さんだからなのかな?
作るのに3年かかったとか。ものすごく、手間と時間、それから宮大工さんたちのアイデアをつめた贅沢な建物なんですね。
↓「大広間」も重要文化財とのこと。
この大広間、建て増ししたそうで、宿泊するお部屋のある建物よりもさらに上の方、エレベーターで上がります。天井がやっぱり凝ってる。お寺さんで見かけるような天井ですよね、これ。
私が今回宿泊したお部屋がある区画は、重要文化財ではなかったのですが、それでも、こんな感じ。
↑入り口。でも、中は、洋風な造りの部分もあるのです。ランタンがかわいい。
そうそう。「金具屋」というお名前は、元々は鍛冶職人だったからだそうです。今は九代目のご主人。そのご主人が、夕方定刻に希望者を集めて、建物内を案内してくださっています。
以上が建物の話。
温泉に行ったからには、もちろん温泉が重要なのですが、金具屋さんでは、露天風呂、浪漫風呂、鎌倉風呂、それから貸切風呂が5種類と、内風呂の数が多くて驚きます(@_@)。
さすがに温泉はカメラにはおさめて来れなかったのですが、貸切風呂の1つはちょうど空いていたので、パチりとしてきました。
ガイドブックなどに必ず載っているのは浪漫風呂ですね。古代ローマの史跡みたいなお風呂。円形で、噴水みたいな造り。それとは異なり、鎌倉風呂は、ひょうたん型で「和」。それぞれ、雰囲気や趣が異なっているだけでなく、源泉をいくつか持ってるそうなので、お湯の質も違うのです。内風呂だけでも十分楽しい♪
露天風呂では、霞がかった月を眺めながら、のーんびり、長風呂してきました。
私は、露天風呂、浪漫風呂、鎌倉風呂、そして貸切風呂のうち1つ(上の写真以外のやつ)に入って、今回も、外湯を3つ行ったので、温泉をこれでもかと満喫。(笑)。あ、大丈夫、今回は外湯9つ全部まわるとかはしてきてないです(笑)。
今回の旅で、名建築のお宿に泊まることがちょっとクセになっちゃいました。しかし、、、名建築の旅館はお値段も素敵ですので(笑)、1年に1度のご褒美、、かな?